外国人スタッフを採用する際、「在留カードが本物かどうか、どうやって確認すればいいのか」は、人事担当者にとって気になるポイントの一つだ。結論から言えば、在留カードのICチップの真贋確認は、出入国在留管理庁が無料で提供する公式アプリで行うことができる。
この記事では、公式アプリでの確認方法を正確に説明したうえで、企業の在留管理において本当に負担が大きいのは確認そのものではなく、その後に続く継続的な期限管理であることを解説する。
在留カードの真贋確認は公式アプリで無料でできる
在留カード等読取アプリケーションとは
出入国在留管理庁は「在留カード等読取アプリケーション」を無料で提供している。在留カードおよび特別永住者証明書に内蔵されたICチップを読み取り、読み取った情報と券面の記載情報を比較することで、偽造・変造の有無を確認できるアプリだ(出典:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」取得日:2026-09-05)。
対応OSは、Windows 11(ARM、x64対応)、macOS 13以降(Apple M1以降搭載機)、Android 12.0以降、iOS 16.0以降。それぞれMicrosoft Store・Mac App Store・Google Play・App Storeから入手できる(出典同上・取得日:2026-09-05)。
利用時の注意点
スマートフォンで利用する場合はNFC Type B対応端末であることが必要で、パソコンで利用する場合は拡張APDU対応の非接触ICカードリーダーが別途必要になる。Android・iOSのバージョン要件を満たしていても、NFC Type Bに対応していない端末では利用できない点に注意したい。iPadには対応していない。また、新様式の在留カードでは券面に表示されなくなった「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」も、アプリの読み取りで表示できるよう更新されている(出典同上・取得日:2026-09-05)。
在留カードの真贋確認は、専用機器の購入や有料サービスの契約をしなくても、出入国在留管理庁の公式アプリで無料に行える。まずはこの事実を知っておくことが第一歩だ。
資格外活動の確認も、企業が見落としやすいポイント
真贋確認とあわせて、企業が見落としやすいのが資格外活動の扱いだ。留学生などをアルバイトとして雇用する場合、在留カードの資格外活動許可の記載(許可の有無・許可された時間や業務内容の範囲)を確認する必要がある。真贋確認だけを行い、この記載を見落とすと、在留資格で認められた範囲を超えた就労になっているのに気づかないまま雇用を続けてしまうリスクがある。
採用時に確認すべき項目の全体像は、はじめての外国人雇用の記事で解説している。
企業が本当に困るのは、確認そのものではなく「その後」
真贋確認は一度きり、期限管理は繰り返し発生する
在留カードの真贋確認は、入社時など特定のタイミングで一度行えば基本的に足りる作業だ。一方、在留期限はその後も更新のたびに繰り返し到来する。つまり、企業にとって継続的な負担になるのは「最初に本物かどうかを確認すること」ではなく、「その後、いつ更新が必要になるかを把握し続けること」だ。
この構図を混同していると、「在留カードを確認したから安心」という認識のまま、次の更新時期を見落とすという事態が起きやすい。確認と管理は別の作業であり、どちらか一方だけでは在留管理は完結しない。
継続管理が属人化すると何が起きるか
在留期限の継続的な管理を特定の担当者の記憶やメモに頼っていると、担当者の異動・退職のタイミングで情報が引き継がれず、更新期限に気づくのが遅れるリスクが生じる。この管理方法別のリスクの違いは、在留期限の管理方法比較の記事で詳しく比較している。
まとめ:確認と管理は別の作業として整える
本記事で紹介した出入国在留管理庁の公式アプリの機能・対応環境は、記事執筆時点(2026年9月5日取得)の公式サポートページの記載に基づくものです。最新の対応状況・利用方法は、出入国在留管理庁の公式ページを必ずご確認ください。株式会社MRIは行政書士ではなく、在留カードの真贋判定・法務相談は行いません。
本記事のポイント
- 在留カードのICチップの真贋確認は、出入国在留管理庁の公式アプリで無料にできる(Windows 11(ARM、x64対応)/macOS 13以降/Android 12.0以降/iOS 16.0以降に対応。スマートフォンはNFC Type B対応端末が必要)。
- 真贋確認とあわせて、資格外活動許可の記載も見落とさず確認する必要がある。
- 企業にとって本当に負担が大きいのは確認そのものではなく、その後に繰り返し発生する在留期限の継続管理。確認と管理は別の作業として体制を整えることが重要。
在留カードの確認後、継続的な在留期限管理を仕組み化したい企業には、在留管理クラウド ビザ顧問〈企業向け〉も選択肢に加えてほしい。
よくある質問
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